“仕事”が進むサイトとは?:仕事が進むサイトをJTBDで再設計する
- hi ko
- 11月3日
- 読了時間: 6分
更新日:11月7日
かっこいいサイト=良いサイト、ではありません。

「読み手の未完了の仕事(Jobs To Be Done)が、サイトによってどれだけ前に進むか」で評価すると、やるべき順番が変わります。本稿では仕事が進むサイトを、設計・文章・導線・計測の4層から具体化します。
“仕事が進むサイト”の定義:仕事が進むサイト=JTBD×成果×摩擦最小
読み手の**仕事(JTBD)**を起点に、サイトが
意思決定を進め、
次の行動に移せて、
迷いと手間(摩擦)を最小化している
——この3点がそろった状態を仕事が進むサイトと呼びます。
デザインより先に“読み手の仕事”を言語化
KPIはCV数だけでなく“完了した仕事数”を並記
装飾を足すより“余計な摩擦を削る”ほうが効果が大きい
読み手の“未完了”を分解する
機能的ジョブ-見積を比較/連絡方法を決める
情緒的ジョブ-失敗を避けたい/社内で反対されたくない
社会的ジョブ-上司に説明がつく資料にしたい
この三層を1文ずつに落とし、トップ冒頭に要約の三行で掲示します。
例:
1行目:「初めて発注を任された担当者へ」(誰に)
2行目:「料金の幅と納期の目安を3分で把握できます」(何が)
3行目:「15分の無料相談で“社内説明に使える資料”をお渡し」(次の行動)
要約三行=“ジョブの三層”の圧縮版 社内語より“読み手の語彙”で
決める瞬間を設計する
読み手の仕事はページ単位ではなく**“瞬間”で進みます。
以下の決断ポイント**ごとに、必要な要素を置きます。
比較を始める瞬間
必要:価格の幅+条件+含む/含まない+向かないケース
価格は“幅”で出す。沈黙は不信
相談するか迷う瞬間
必要:所要時間付きのCTA(例:「相談15分」)と返信SLA(営業日2時間以内)
所要時間を入れると“今やれる”に変わる
社内説明を作る瞬間
必要:1枚スライドDL(目的・費用幅・期間・他社との違い)
資料DLはメール取得の“交換条件”にしない——まず助ける
仕事が進むサイトは、これらの瞬間に必要十分な情報だけを“点”で置く設計です。
摩擦を数える
1クリック=1点、迷う文言=1点、戻る操作=2点。
主要タスク(価格確認/相談予約/採用応募)を各10ユーザーで試し、
平均5点以下を目標に、文言と導線を削ります。
段落末リンクは1本(比較→価格→FAQ→CTAの一本道)
ボタン文に所要時間(“見積3分”“相談15分”)
1画面1主張(“誰に・何が・次にできる”)
点で置き、線で結ぶ。面で埋めない
文章は“冷・常温・熱”の三温度で組む
冷(Fact):数値・条件・仕様(例:「初回表示1.7秒」)
常温(Relief):不安への寄り添い(例:「通勤中でも止まらず読めます」)
熱(Prompt):提案・行動(例:「30秒のデモで確かめましょう」)
各段落に冷→常温→熱を各1文ずつ入れるだけで、“読む動機→安心→行動”の流れができます。
冷だけは退屈、熱だけは胡散臭い
“仕事が進むサイト”の構成テンプレ
要約三行(ジョブの三層を圧縮)
三ボタンCTA(資料DL3分/相談15分/見積3分)
価格の幅+条件+含む/含まない+向かない
決断ポイントに合わせた“逆FAQの粒”
小さな証拠(数字の幅、写真×キャプション40〜80字)
段落末リンク1本で一本道へ
レイアウトを変えず“順番と粒度”で成果を動かす
図と表で“仕事を前に進める”
比較2列表:A(御社)/B(一般的な代替)。違いは3つまで
工程3段:手元→工程→結果の写真+40〜80字キャプション
成果の幅:1.3〜1.8倍のように幅で提示(条件もひとこと)
借り物素材ではなく一次情報
5シナリオで検証する
通勤中(スマホ・片手):1画面1主張か?誤タップしないか?
会議5分前:価格の幅と期間の目安が90秒で拾えるか?
社内稟議作成:1枚スライドがDLできるか?
現場での説明:写真キャプションが40〜80字で要点明快か?
初回面談直前:返信SLA・担当・連絡先が1画面で見えるか?
シナリオ別に“仕事が進む”かを計測
計測は“指標の梯子”で
体感指標:初回表示、CLS、フォーム離脱率
運用指標:更新所要時間、月の更新本数、写真キャプション化率
成果指標:CV、見積/相談比率、採用応募の質
仕事が進むサイトでは、体感→運用→成果を週次→月次→四半期で見ます。
体感が改善→運用が軽くなる→成果が伸びる、の階段で設計します。
体感を無視した“成果の議論”は続かない
書き換え例
Before:「高品質なWebサイトで御社の魅力を最大化します」
After:「初めて発注を任された担当者へ。価格の幅(◯◯〜◯◯万円)
と期間(◯〜◯週)を3分で把握。比較→価格→FAQ→相談15分の順に、段落末リンクは1本だけ。」
Before:「まずはお問い合わせください」
After:「相談15分で“社内説明に使える1枚スライド”を当日お送りします」
所要時間/幅/一本道を明記=行動の背中を押す
“やらないリスト”で摩擦を先に削る
トップの自動再生動画(音入り)は廃止
本文に複数リンクを散弾のように置かない
抽象の連打(圧倒的・唯一無二・トータルサポート)を禁止
フォームの必須項目の増やしすぎを禁止(“任意”を活用)
フリーメール差出人を禁止(独自ドメイン×署名統一)
まず“やらない”で速度とCVが同時に上がる
14日スプリント(仕事が進むサイトの最短導入)
Day1–2:ジョブ抽出
最近の問い合わせメールからジョブの三層を抜き出し、要約三行を作成。
Day3–4:順番と粒度
要約三行→三ボタン→価格の幅→逆FAQの粒→証拠の順に並べ替え。
Day5–6:摩擦削減
段落末リンク1本化、ボタンに所要時間を追加。フォームの必須を3項目以内へ。
Day7–8:図表化
比較2列表/工程3段写真+キャプション/成果の幅を設置。
Day9–10:5シナリオ検証
通勤中・会議前・稟議作成・現場説明・面談前でタスク時間とフリクション点を採取。
Day11–12:文温度調整
各段落を冷→常温→熱の三温度に書き直し。
Day13–14:微修正+自動返信
返信SLA・担当名・連絡方法を明記。自動返信を整備。
完璧主義ではなく反復前提。14日で“まず進む”を作る
セルフチェック:仕事が進むサイトか?
要約三行にジョブの三層が入っている?
決断ポイントごとに“必要十分”が置けた?
段落末リンク1本で一本道ができた?
所要時間がボタン文に入っている?
図表(比較2列・工程3段)がある?
体感→運用→成果の指標の梯子で測れている?
1つ“×”があれば、そこから直す。仕事はすぐ進む
まとめ:仕事が進むサイト=読み手の進捗装置

サイトは広告塔ではなく、読み手の仕事を前進させる装置です。
仕事が進むサイトを作る鍵は、
ジョブの三層を要約三行に圧縮し、
決断ポイントで必要十分を“点”で置き、
摩擦を数えて削り、
体感→運用→成果の階段で測ること。
レイアウトを大きく変えずに、順番と粒度の設計だけで成果は動きます。
――
「まずは14日だけ、一緒に進めたい」方へ。**COMFORT NOVA(コンフォートノヴァ)**は、
問い合わせメールからのジョブ抽出→要約三行作成
価格の幅/逆FAQの粒/図表の差し込み
所要時間入りボタン/段落末1リンクの導線設計
5シナリオ検証と指標の梯子の初期セットまで、差し替え中心で並走します。まずは**無料相談(15分)**からどうぞ。



























































